休日ともなれば、霞ヶ浦や琵琶湖、中小の湖・沼・ダムでたくさんの釣り人が、 バスフィッシングを楽しんでいるようですね。ねらいはもちろん僕たちブラックバスだ。 近年、このバスフィッシングは人気があり、一度はやってみたいと思っている人も多いらしいから、 僕たちもおちおちしていられない。 バスフィッシングをやってみたい人には、ただ僕らを釣るだけじゃなく、 今のフィールドの現状についても興味を持ってほしいんだ。そうすることで、 生態系の悪化がくい止められるかもしれないからね。 僕たちブラックバスは魚類・甲殻類を食べる魚食魚の仲間なんだ。 一般的に、魚食魚は生態系ピラミッドの頂点に位置していて、下方に位置する生物を 餌として生きているんだよ。 日本の湖沼にも、在来種のナマズなどを頂点としたピラミッドが形成されていたんだけど、 そこに僕たちが入ってきて、様子がちょっと変わってきたんだ。 _______ とくに魚食魚の餌になっているピラミッドの下方に位置する魚は、 バスの放流の影響を受けてしまって、中には絶滅の危機に瀕しているものも少なくないんだ。 底辺を支える生物たちがいなくなったしまった湖沼のピラミッドがどうなるか想像するのは 簡単でしょう?それじゃあ、ここでブラックバスを紹介していくよ。 ◆ブラックバス ■形状 僕たちの体は、普通30〜50cmなんだけど、先日、日本記録の68センチ (26・7インチ)の巨大バスが釣られて話題になったんだ。 ■分布 僕たちは本来、日本ではみられなかった種類なんだ。 日本に来たのは、大正14年(1925年)のことで、芦ノ湖に移入された。 僕たちは欲張りで、どう猛な魚なので、日本に来てしばらくは、 芦ノ湖からの持ち出しが禁止されていたんだよ。でも、ブラックバス釣りは面白いので、 自分の身近に釣り場がほしいという釣り人がバスの放流を繰り返したんだ。 最近でも釣り人の中の乱暴者が放流を盛んに繰り返しているんだって。その結果、 バスは日本各地の湖沼に住みつくようになったんだよ。 ■生活 僕たちは水の流れが穏やかな所(止水域)を好むので、 だいたい湖や沼に住んでいるんだ。また、河川下流域の流れの緩やかなところに 住んでいることもあるよ。ブラックバスはとても欲張りな魚だけど、速く泳ぐのは 得意じゃないから、自分のなわばりの物陰に身を潜めて、えさを食べる待ち伏せ型の ハンターなんだ。コイ類、ドジョウ類やハゼ類などの魚やテナガエビやヌマエビなどの 泳ぎがあまり速くない水生動物はもとより、水面に落ちてくるセミやバッタなどの 陸生動物も近づけば狙いすまして襲いかかるよ。 また、なわばりを犯すものがあれば、僕らは猛然と水面に飛び出てまで闘いを挑む。 知恵と勇気にあふれた闘争者でもあるんだ。 ■放流の結果 僕たちブラックバスが入り込んできたことで、もともと止水域の湖岸の 水草帯に生息していたタナゴ類とモツゴ類などの魚類の姿はほとんど 見られなくなったんだ。また、ニゴロブナやホンモロコなどの沿岸に住むの 魚類もたくさん減っているよ。バスと生息地が同じで、泳ぐスピードがあまり速くない魚の 多くは僕たちが食べちゃったんだ。 ■被害魚 理由被害にあったタナゴ類のうちニッポンバラタナゴは「日本の絶滅の恐れのある野生生物 〜レッドデ−タブック〜」(1991年・環境庁)の絶滅危惧種に選ばれているんだよ。 水の流れが穏やかな止水域に住んでいて、二枚貝に卵を産みつける魚なんだ。 今は大阪府の一部と香川県の一部の水域だけに住んでいるだけ。 でも、僕たちブラックバスが食べちゃったから減ったと言うよりも、 タイリクバラタナゴとの間に雑種化が進んで、純系の約維持がとても難しくなったという べきだね。同じく被害に遭っているニゴロブナは琵琶湖の固有種。 琵琶湖は僕たちブラックバスによる被害が大きい湖として有名で、ニゴロブナもやっぱり 激減し、危機に瀕しているんだ。 ■在来魚の減少 もとから住んでいた(在来魚)魚がひどく減ってしまうのは、やっぱり僕たちブラックバスが 食べてしまうから。でもそれは、僕たちの食性から在来の魚などに与える影響をぜんぜん 考えない一部の釣り人のエゴによるバスの放流のせい、と言い換えることもできるんじゃ ないかな。ワームオイル(擬似的エサに油を塗って味をつける)などによる水質悪化、 一部の釣り人によるゴミの放置なども原因となるんだ放流されたバスにしても、 新しい生息場所を得たものの、所詮人間の遊びの標的であり、 釣り人には釣り針を食わされ、バス釣りをしない一般の人からは、 害魚呼ばわりされている。魚に罪はないんだよね。 |
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